【重力レンズ】光って曲がるの?

宇宙論

光を想像してみてください。太陽、懐中電灯、車のヘッドライト・・・全てどこまでも真っ直ぐ進んでいきますよね。

太陽の光は真っ直ぐ私たちへ降り注ぐ

実は光って曲がるんです。しかも水の中に光が入った時のような光の屈折ではなく、宇宙空間のような真空中で曲がるんです!

・・・えっ、光が曲がるところなんて見たことがないって?それはそうです。だって光が目に見えて曲がるためには最低でも太陽くらいの重力源がないとダメなんですから!

この記事では光が曲がるということについてご紹介します。その後、光が曲がることで引き起こされる「重力レンズ」という不思議ながらも魅惑的な現象についてもご紹介していきますね。

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光の進み方

光はどうやって進むの?

皆さんにとって、光は真っ直ぐ進むものですよね。それでは、なぜ光は真っ直ぐ進むのでしょうか?

実は、光は距離が最小となるような経路を進むのです(これはフェルマーの原理と呼ばれています)。

いま皆さんの近くにある物を2つ注目してください。スマホとカップでもいいですし、お菓子と目薬、何もないなら右手と左手でも構いません。

それら2つのものを結ぶ、一番短い経路ってなんでしょうか?そう、2つのものを直線で結んだ経路が最小の経路なんです。

光はどこまでも進んでゆくので、2つのうちの片方を遥か遠くに持って行ってみましょう。すると光は遥か遠くにあるペアに向かってどこまでも真っ直ぐに進んでゆくのです。

私たちの日常生活において、光がどこまでも直線的に進んでゆくのはこのような理由があったのです。

私たちの身の回りの光は真っ直ぐ進む。これは、光が最小の経路を進もうとするためである。

光はどこでも真っ直ぐ進む?

光は最短経路を進むということがわかりました。ちょっとここで皆さん自身が光になったと考えてみましょう!不思議な感じですが、光の気持ちになることで初めて分かることもあるはずです(笑)

あなたは光です。とにかく2つの点の間を一番短い経路で進むことに命をかけています(笑)一点だけ光と違うのは、あなたは地面の上を歩くことしかできないとしましょう!光のように宙を進むのは今はなしですw

例えばあなたは野球場にいるとしましょう。ホームベースから一塁に進むときは普通に真っ直ぐ進めばいいですね。ホームベースから二塁へ進むときは、ちょっとズルをしてマウンド(ピッチャーが投げる場所)経由で真っ直ぐ進んじゃいましょう!それが最短の経路です。

ホームベースから二塁へ向かうには、一塁経由ではなくマウンド方向へ真っ直ぐ進んだ方が近い。

では、仮にマウンドがちょっと土を盛られた程度ではなく、標高10mの小高い丘だと考えてみましょう(笑)

光である皆さんは、果たしてこれまで通りホームベースから二塁へ向かう際にマウンドを経由するでしょうか?おそらく答えはノーでしょう。マウンド方向に向かうのは変わらないでしょうが、小高い丘となったマウンドは避けることでしょう。

マウンドが土をちょっと盛っただけの頃は真っ直ぐ進むのが最短経路でした。しかしマウンドが丘へと変貌した今となっては、マウンドを迂回することが最短経路に変わったのです。

このように、空間が平らじゃないときには光は曲がって進んだ方が最短経路になることがあるのです。

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曲がった空間での光の進み方

曲がった空間とは?

それでは、平らじゃない空間とはなんでしょうか?それはズバリ、重いものの周囲の空間です。これは一般相対論の話になるのですが、重力とは空間の歪みなのです。重いものがあると、空間そのものが歪んでしまうのです!

重いといっても、地球上で私たちが認識できるくらい光を曲げることは難しいです。もし可能であるならば、大相撲中継は大変なことになっています(笑)

やはり重力源としては、宇宙空間の天体が適切でしょう。やっぱりそれくらいは重くないと!ということで、一番身近な天体である地球を考えてみましょう。

地球が自身の重さで空間を歪めている概念図。(Credit: NASA)

これは地球が自身の重さ(=重力)によって、周辺の空間を歪めている様子を表した概念図です。このように、重い天体の周囲では空間は平らではなく歪んでいるのです!

光が曲がった空間に遭遇すると?

さて、太陽からやってきた光を考えてみましょう。地球の近くまで来ると、地球による空間の歪みに遭遇します。そして、この空間の歪みによって太陽からの光はわずかに曲がるのです!

この記事の冒頭で私は「太陽からの光は真っ直ぐ地球に降り注ぐ」と言いました。今ならその過ちに気がつきますね!そうです、太陽の光は「ちょっとだけ地球の重力で曲がってから私たちに降り注ぐ」のです。

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最後に

この記事では、「光はどうやって進むのか」といったテーマで解説をしました。皆さん、光が曲がることもあるっていうのは結構驚きじゃないですか?

でも、とてつもなく重い物体がないと光は曲がりません。地球の重さも実はそこまで重くないので、太陽からの光が曲がっていることを実感することはまず無理です。。。でも、「じゃあ重力源が地球ではなくて太陽だったらどうなるの?銀河だったらどんなことが起こるの?」と疑問に思いませんか??

そうです、その考え方こそが次の記事でお話しする「重力レンズ」では重要になってくるのです!!ここでは「重い物体の近くでは空間が曲がり、その近くを通る光は曲がって進む」という事実を頭に入れ、早速次の記事を見にいきましょう!

重力レンズって何?〜そのアイディアへ至る道〜
重力レンズ現象はどのようにして発見されたのか。その歴史を紐解きます。

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コメント

  1. たおぷー より:

    stargazingさん♪
    光の曲がる原理を、自分が光になって野球場に立つ例え、とても分かり易く面白かったです!
    人間は最短距離命がけ(笑)だったら、マウンド10mは登らず避けて横から二塁に行きますが、「光」も登るより横に避けた方が早いと分かるのかな?とか、空間が歪むというイメージは湧きましたが、歪んだ分の宇宙空間は何処へ行っちゃうの?とか、脱線しまくりました💦
    前回より分かってきたつもりなのでこれからも学ばせて頂きます!
    私の理解力が悪いだけで、教科書に載って欲しい級の説明だと思います✨
    もう載ってるのかな😁

    • stargazer より:

      たおぷーさん、ありがとうございます!

      例え、分かりやすかったようでよかったです(笑)
      以前某所の記事で書いた空間をゴム膜に例えるのはよく教科書に載ってるのですが、
      それ以外は記事を書きながらその都度例えを思いついています。
      ですので、光の曲がりをこんな例え方しているのは、世界中探しても私だけですよw

      ちなみに、歪んだ空間は歪んだままそこに存在します。
      地球だって宇宙空間をすこーーーしだけ歪めていますが、
      私たちは平気でその上で生活していますからね(笑)
      遠くの歪んでいない場所から見た場合、時間や光の進み方が変わって見えるだけで
      空間そのものは(ブラックホールなどの異常な場所じゃない限り)連続的に存在していますよ。

      コメントいただけて嬉しいですし、大変参考になります。
      ありがとうございました!

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