宇宙クルーズに出かけよう!

コラム
宇宙クルーズに出かけよう!

今日はすばる望遠鏡で撮影(撮像)されたデータを使って楽しむ宇宙旅行についてご紹介します。

皆さんもプラネタリウムを見ていて自由に動かしてみたいと思ったり、または自由気ままに宇宙旅行をしてみたいと思ったことはあるのではないでしょうか。なんと、すばる望遠鏡はそんな願いを叶えてくれる素晴らしいアプリケーションを無料で提供しているのです!

それでは、自宅にいながら素敵な宇宙クルーズに出発してみましょう!休日や眠れない夜には宇宙の旅がオススメですよ。

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すばる望遠鏡・Hyper Suprime-Camサーベイについて

まずは、以下の「すばるのデータで宇宙旅行」というサイトにアクセスしてみましょう。

hscMap
HSCの画像ビューア hscMap の説明ページです。

すばる望遠鏡・Hyper Suprime-Cam(HSC)やHSCサーベイの詳細については上記サイトをご参照ください。HSCについては、以前当ブログでもご紹介しているのでよかったらそちらもご覧ください。

すばる望遠鏡のここがすごい!
日本が世界に誇るすばる望遠鏡。具体的にどこがすごいのかを教えます!

端的にいうと、すばる望遠鏡にとても大きなデジカメ(HSC)が搭載されていて、そのデジカメにより宇宙の至る所が現在精力的に観測されています(HSCサーベイ、サーベイは「探査」の意味)。これは研究者向けのデータなのですが、普通にみても美しいので一般向けに綺麗に色をつけて公開したのが今日ご紹介するアプリです。

ちなみに、研究者が使う生のデータはうっとりとするような綺麗な写真ではありません。乾板写真のような味気のない画像データや、それらから天体データのみを抜き出した数値の羅列を扱うのが常です(笑)

ちなみに、HSCサーベイは現在も進められておりデータを増やし続けています。今回ご紹介するアプリは2018年に全世界に公開されたデータを元としているので、今後アプリがアップデートされれば宇宙のもっと広い領域をクルーズできるようになります!

早速、宇宙クルーズに出発しましょう

それでは、こちらのページから宇宙クルーズへの第一歩を踏み出してください!早速、満天の星空に迎えられたはずです。

すばる望遠鏡が映し出す星空

宇宙クルーズの第一歩!

これが先ほどご紹介した、すばる望遠鏡に搭載された巨大なデジタルカメラ、Hyper Suprime-Cam (HSC)が観測した宇宙です。私たちがクルーズできるのは、HSCで撮影された緑色の線で囲われた領域です。

どこでも良いのですが、まずはGAMA09Hという領域内にある正方形の領域、COSMOS領域へダイブしてみましょう!ここは極めて狭い領域なのですが、実は遠方宇宙や銀河進化で重要な発見を提供してきたとても重要な天域なのです!

COSMOS領域にダイブできたら、あとは思ったままに星空のクルーズを楽しみましょう!デフォルトのセッティングでは、青い天体は若い星が多く、今現在も星を活発に作っている銀河を、一方で赤い天体は年老いた星が多く、今現在は星をほとんど作っていない銀河をそれぞれ表しています。このセッティングはSSP色調整というウィンドウで調節可能です。

COSMOS領域の美しい天体たち

私もCOSMOS領域を2, 3分クルーズしてみたところ、こんな面白い天体たちを見つけました。

ぼんやりとした円盤をまとった、オレンジ色の銀河。

まずは綺麗な渦巻銀河です。ここまで腕がはっきりと見えているということはかなり天の川銀河の近くに位置する銀河だと思われます。近傍の銀河は若い星も少ないため、この銀河も全体的にオレンジ色をしていますね。

渦巻銀河については、以下の記事を参考にしてくださいね。

実は奥が深い銀河の形
銀河の形って、たまたまそうなっているんじゃないの?...いえいえ、そこには深い意味が隠されているんです。

たくさんの銀河が写っている。中央上部に不思議なリングをまとったオレンジ色の銀河が見える。

次は不思議なリングをまとった天体です。これは重力レンズ現象を引き起こしている銀河であると思われます。しかも2重にリングが見えているため、もしこれが未発見天体であれば論文化が可能な大きな発見かもしれません!

その左に映る縦長の天体は、渦巻銀河を真横から見たものです。我々の天の川銀河も渦巻銀河であるので、真横から見ると実はこんなにも薄いのです。

画像の右下には、モヤモヤを纏ったよくわからない銀河もいますね。左下へ伸びる淡い尾があるので、もしかしたら銀河同士が衝突し、合体過程がある程度終了した銀河かもしれません。(衝突・合体が正に進行している銀河としてはマウス銀河が有名です)

重力レンズについては、以下の写真集もぜひご覧ください。

重力レンズ天体の美しさを楽しもう!
美しく魅惑的な重力レンズ天体。ぜひその魅力を味わってみませんか?

お気に入りの天体を見つけたら、ぜひクルーズの記念として画像に保存しましょう!左上にあるメニューからビューを選択し、JPEGまたはPNG形式で保存することができます。COSMOS領域を観尽くしたら、他の領域にも出発してみましょう!

アンドロメダ銀河への旅

有名天体であれば、メニューから直接訪れることも可能です。メニューの解析から星雲・近くの銀河などを選択し、今回は例としてM31を選択してみましょう!M31というウィンドウが出現するはずなので、バツ印の下にある横三本線のアイコンを押し、続いて表示をクリックしてください。M31ことアンドロメダ銀河への旅行が始まります!

アンドロメダ銀河へのクルーズ。

中心に見えるのが銀河のバルジと呼ばれる部分で、明るくて何も見えないほど星が密集しています。そして、この中心には超巨大ブラックホールが存在していると考えられています。

アンドロメダ銀河の周りにある明るい天体は、もしかしたらアンドロメダ銀河の周囲を回っている衛星銀河なのかもしれません。我々の天の川銀河で言うところの大マゼラン星雲小マゼラン星雲のような天体ですね!

このアンドロメダ銀河、どこかで見たことはありませんか?…そうです、当ブログでもご紹介したすばる望遠鏡天体写真ギャラリーでも紹介しましたね!(笑)

すばる望遠鏡 天体写真ギャラリー(1)
日本が誇るすばる望遠鏡。撮影された宇宙の生の姿をご堪能ください!

アンドロメダ銀河は、実はよくHSCの視野の広さを宣伝するのに使われるのです!こんな大きな銀河は、これまでの装置だと小さな領域に分けて何回も撮像するしかありませんでした。これほどまでに宇宙の広い領域を一度に撮影できるというのは、実はとても画期的なことなんですよ!

気の向くままに星空クルーズの旅へ

星空クルーズの水先案内はここまでです。あとはあなたの興味の赴くまま、自由に悠久の宇宙への旅に出発してください。

もしかしたら、世界が驚愕する大発見があるかもしれませんよ。例えばこの論文で扱われている重力レンズクエーサーと呼ばれる天体は、国立天文台で開催された大学生向けイベントでたまたま大学生があなたが今眺めているのと同じHSCのデータから発見したものなのです!以下の記事で紹介されている「ホルスの目」が、その大学生による大発見天体です。

重力レンズ天体の美しさを楽しもう!
美しく魅惑的な重力レンズ天体。ぜひその魅力を味わってみませんか?

プラネタリウムと異なり、このアプリケーションで出会う銀河や星がすべて観測された本物の天体というのが驚きですよね!こんな素晴らしいアプリケーションを無料で提供してくれているHSC SSPチームには感謝しかありませんね!(笑)

───さあ、時間の許す限り、深遠なる宇宙が織りなす美しく魅惑的な星空のクルーズへと出かけましょう。…あなたはきっと、眠れなくなることでしょう(笑)

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